RESEARCH
ポリケチド合成酵素や非リボソームペプチド合成酵素に代表される「巨大酵素に関する知識」と「合成生物学のテクノロジー」を組み合わせ、様々な有用な化学物質を作り出すことを目的に研究を進めています。

既存の合成生物学では天然の酵素を活用しますが、我々は目的に応じて設計した人工酵素を利用して研究を行います。天然の酵素と人工酵素をうまく組み合わせた代謝経路をデザインすることで、ケミストリーでは作り出せない様々な化合物(薬剤、燃料、溶媒、脂質など)を生み出していきます。
合成生物学は、ゲノム編集技術の向上、シーケンシング技術の発展、DNA合成価格の低下、AI技術の応用により急速に発展しており、大きなポテンシャルを持っています。ぜひ、ともに研究をし、人類にとって重大な問題の解決に寄与しましょう。
合成生物学
合成生物学とは、従来の分子生物学とは異なり、ボトムアップな的なアプローチで生物を合成することで生物を構成する各種要素(DNA、RNA、タンパク質、脂質など)を理解する学問分野です。

長期的には人工生命の創生がゴールとなりますが、現在はゲノム編集等により生物の一部を改変することで目的の機能を付与する研究が盛んに行われています。合成生物学領域の注目度は高く、世界規模で見れば2021年だけで数兆円を超える投資がありました。今後も右肩上がりで投資が加速すると予測され、2030年には関連分野の産業規模は100兆円を超える見通しです。当ラボを創設した湯澤賢は、スタンフォード大学やUCバークレーにて合成生物学の最先端の研究に従事した経験を持っています。
一方で、慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)は世界でもトップレベルの代謝物質(メタボローム)解析技術を有し、アルゴリズムや統計など情報科学理論に精通した教員やその指導を受けた学生が多くいるため、合成生物学の研究が進めやすい環境が揃っています。さらには IAB周辺には合成生物学関連のスタートアップを含む多数のバイオベンチャーがあり、起業も視野に入れながら研究を推進することができます。
微生物が生成する巨大酵素(ポリケチド合成酵素)
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